モラハラについて調べているとたどり着く『自己愛性パーソナリティー障害』という言葉。
『自己愛性人格障害』と表現されていることもあります。
それでは『自己愛性パーソナリティー障害』と『モラハラ』には、どのような関係があるのでしょうか。
パーソナリティー障害とは?
パーソナリティー(personality)は、『人格』『個性』を指す言葉です。
パーソナリティー障害とは、偏った考え方や行動によって、対人関係に大きな影響を及ぼし、社会生活がうまく遅れない状態のことです。
パーソナリティー障害は、自己愛性パーソナリティー障害や、境界性パーソナリティー障害、演技性パーソナリティー障害など、様々なものを総称したものです。
約10パーセントの人がパーソナリティー障害に該当します。パーソナリティー障害全体として見れば、大きな男女差はありません。
自己愛性パーソナリティー障害とは?
上記のパーソナリティー障害のうち、モラハラと関連が深いと言われているのが『自己愛性パーソナリティー障害』です。
パーソナリティー障害全体で見れば男女差はありませんが、そのうち『自己愛性パーソナリティー障害』に限定すると、男性により多く見られます。
自分は素晴らしく、特別で偉大な存在であり、他者よりも優れている。
あなたからモラハラ夫を見たとき、モラハラ夫はこのような考え方をしているように、見えませんか?
自身に満ち溢れているように見える、モラハラ夫。
実は、ありのままの自分自身を愛することができないために、理想の自己像を描き、自分は理想的な人間だと思い込むことで、自分を保ちます。
他者から評価してもらえなければ、生きていけない心理状態です。
モラハラ夫は、自信があって華やかに見える一方で、他者から認めてもらえなければ壊れてしまうほど、弱くて脆い人間なのです。
自己愛性パーソナリティー障害と脳の関係
自己愛性パーソナリティー障害ですが、脳の中の『前頭葉』という部分の機能不全によるものです。
前頭葉は、思考や感情をコントロールする場所です。
理性を保つ働きをするのも、前頭葉です。
前頭葉が機能しきれていないということは、理性を保てないということですね。
モラハラ夫があなたを罵倒するとき、理性を保っているように見えますか?
あなたを見る、モラハラ夫の爬虫類のような目。
泣いていても、躊躇することのない攻撃の連続。
同じ人間だと思って接していると、あなたが辛い目に遭います。
別の生命体だと思って接するくらいで、丁度良いのです。
自己愛性パーソナリティー障害と幼少期の環境
自己愛性パーソナリティー障害は、幼少期の環境が関わっていると言われています。
幼少期に愛情をもらえなかったり、過保護だったりすると、自己愛性パーソナリティー障害になることがあるようです。
私が知る人は、おそらく前者だっただろうと思います。
未だに親の呪縛から逃れることができずにいる人間でした。
良い子でないと愛されないなど、条件付きの愛情で育ったがために、ありのままでは認めてもらえないという思いが強いのではないかと考えます。
大人になってもなお、親の顔色を窺いながら生きていくのは、息苦しいものだろうな、と思います。
自己愛性パーソナリティー障害の対応
モラハラ夫が、自己愛性パーソナリティー障害なのではないかと疑うあなた。
モラハラ夫が、パーソナリティー障害かどうかを明らかにする必要は、ありません。
モラハラ夫が自分自身で問題意識を持ち、改善したいと思うのであれば、話は別ですが、モラハラ夫にあえて気づかせてあげなくて、良いのです。
モラハラ夫は、あなたが何と言おうと、認めないでしょう。
認めるとしたら、認めることでモラハラ夫が『得』をするときです。
認めないと、自分の立場が危ういと踏めば、表面的に認める可能性はあります。
しかし、実際にモラハラ夫が困っていないのであれば、治療は続かないでしょう。
そして、あなたは精神科医ではありませんので、診断できるわけでもありません。
確定事項でないことで、自らを危険な目に遭わせる必要はありません。
また、モラハラ夫が『パーソナリティー障害』だという事実を、重く受け止めなくてもよいです。
『障害があるのなら、配偶者である自分が助けてあげなければ・・・』
と、思うのであれば、考え直してください。
モラハラ夫の考え方の歪みによって、傷つけられるのは、あなたです。
支え合える相手であれば、それは理想的な関係です。
しかし、あなたはモラハラ夫を支えるのみであり、モラハラ夫はあなたを支えません。
モラハラ夫に心を刺されることで、モラハラ夫に貢献したいと希望されるのでなければ、障害を支えてあげようとは思わないのが良策です。
もし、モラハラ夫と離婚も別居もせず、共存していくことを目指すとしても、真正面から向き合わないことです。
要は、あなたがモラハラを受けなければ良いだけですので、モラハラ夫への反応を減らすだけで十分です。
詳しくはモラハラ夫をぎゃふんと言わせたい!モラハラ夫との同居時における注意点をお読みください。
あえてモラハラ夫に『障害』という言葉を突き付けて、刺激する必要はないのです。
まとめ
今回は、『自己愛性パーソナリティー障害』についてお伝えしました。
モラハラ夫の特徴に当てはまる部分も、多かったのではないでしょうか。
しかし、これはあくまでもあなたの心を軽くする材料として使ってください。
理由もよくわからず漠然と苦しかったところから、原因がわかり始めると、少し楽になってきます。
あなたがモラハラ夫を変えてあげることはありません。
モラハラ夫は、自分で自分の問題に向き合えば良いのですから。
このような卑劣な人間がこの世の中に存在し、自分の身近にいたのだな、ということだけお分かりいただけたら良いと思います。
お役立ていただければ幸いです。