『嫌われる勇気』という本を、読んだことはありますか?
ベストセラーとなり、話題になったので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
今回は、モラハラ被害者が人生を歩んでいく上で知っておくと楽になれるような、生きる上でのヒントについてまとめました。
アドラー心理学をもとに、モラハラ被害者の生きるヒントについて考えていきましょう。
概要については【アドラー心理学】名著『嫌われる勇気』に学ぶモラハラ対処法 - モラハラ夫の心理編 -をお読みください。
モラハラ被害者の生きるヒント
アドラー心理学をもとにした『嫌われる勇気』をもとに、モラハラ被害者が陥りがちな考え方や行動の癖について、考えていきましょう。
すぐに行動を変えることは難しいことですが、自分の傾向を知ることが、楽に生きるヒントになるかもしれません。
理不尽には反応しない
相手が怒りをあらわにしているときは、あなたを非難し、気に食わないあなたを屈服させたいときです。
怒りは、目的を叶えるためにつくり出される感情です。
いかなる挑発にも、乗ってはいけません。
争いごとを察知したときは、いち早く争いから降りましょう。
仮にあなたがその争いを制したとしても、相手は別の形で復讐してくるからです。
相手のアクションに、リアクションを返しては、いけないのです。
白黒思考をやめる
「私は正しい」との考え方は危険です。
モラハラ被害者は、白黒思考の方が多い傾向にありますが、白黒思考だと、
「私が正しい」→「相手が間違っている」→「私は勝たねばならない」という思考に繋がりかねません。
勝ち負けを基準にしないようにしましょう。
対等を意識する
人間は、対等です。
それが、親と子どもであっても、教師と生徒であっても、一人の人間として対等なのです。
もし理不尽な要求を突き付けられたのなら、正面から異を唱えて構いません。
関係が壊れることだけを恐れて生きるのは、他者のために生きる不自由な生き方だからです。
あなたが『絶対的権力者』だと感じる夫や上司がいるとして、それは小さな共同体の中だけで適用されるものです。一歩外に出れば、それは通用しないのです。
意識の上では対等であること。そして、主張すべきは堂々と主張することが大切です。
人生は誰のものかを考える
私たちは、他者の期待を満たすために生きているのではありません。
他者からの承認を求めないようにすることが大切です。
他者からの視線を気にして、他者からの評価におびえ、自分が「わたし」であることを抑えている・・・そんな状態で、あなたは幸せですか?
あなたの人生をあなたが生きなくて、誰が生きてくれるのでしょうか。
他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになってしまいますよ。
課題の分離をする
『馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない』ということわざがあるそうです。
モラハラ被害者は世話焼きな方が多いです。
馬が水を呑まないのは、馬自身の選択であり、馬の課題なのです。
どうにかして吞ませようとしないでください。
あなたにできることは、馬を水辺に連れていくところまでです。
ここから先は自分の課題ではない、という境界線を知り、他者の課題は切り捨てること。
これが、人生の荷物を軽くし、人生をシンプルなものにする第一歩となるでしょう。
他者の課題には介入せず、自分の課題にも、誰一人として介入させないことで、あなたは自由になれます。
社会に過度に適応しない
アドラーは、他者のために自分の人生を犠牲にしてしまう人のことを「社会に過度に適応した人」であるとして、警鐘を鳴らしています。
他者の視線や顔色を見て、他者の望みを叶えるように生きることは、自分自身に嘘をつき、周囲の人々に対しても嘘をつき続ける生き方です。
すべての人から嫌われないように立ち回る生き方は、不自由極まりない生き方であり、不可能なことです。
他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできないのです。
自己への執着を手放す
他者はどれだけ自分に注目し、自分のことをどう評価しているのかが気になるのは、他者を見ているようでいて、自分のことしか見ていません。
他者によく思われたいから他者の視線を気にする、という人は、それは他者への関心ではなく、自己への執着であることを知ることから始めましょう。
期待が満たされないと、大きく失望し、ひどい侮辱を受けたと感じて憤慨する。
これは、他者に対して、「この人は私に何をしてくれるのか?」という感覚を持っているからです。
「私は、この人に対して何を与えられるか?」を考えて、自分から一歩踏み出すことが大切です。
まとめ
今回は、『嫌われる勇気』から、アドラー心理学の思想に基づき、モラハラ被害者の心理や生きていくヒントを見出してきました。
私がそうであるように、これを読んで心に痛みを覚える方も、少なくないのではないかと思います。
しかし、その痛みは、どこか心地よい痛みではないでしょうか。
マッサージを受けるときに、痛気持ちいいのと、似た感覚。
楽になる、前兆かもしれませんね。
目の前にある、やるべきことから目を背けることは、生きることを複雑にし、幸せから遠ざかること。
「いま、ここ」を精一杯生きて、たとえ他者から嫌われようと自分に正直に生きる。
今この瞬間から、幸せへの第一歩を踏み出しましょう。
『嫌われる勇気』が気になった方は、電子書籍もありますので、ぜひご一読くださいね。
お役立ていただけたら嬉しいです。